こんにちは、モモです。(@sanshibu)
今回は、源流泊での幕営地の見つけ方を解説していこうと思います。
「幕営地なんてどこでもよくない?」
「山岳渓流での幕営地の見つけ方を知りたい!」
「気にはなっているけど、実際の所どうなのかな?」
と悩まれている釣り人の方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
山岳渓流が多い長野県で、年間最大100回以上の釣行をしている筆者が本音で解説!
結論から言うと…
・源流泊の幕営地を見つける方法
・幕営地を見つけるための準備
・幕営地を見つける際の注意点
3つのポイントを押さえ順序だてて取り組んでいくことが重要です。
自分で考え、行動を起こしていかなければ習慣にならないため再現性がなくなってしまいます。
さっそく詳しくお話していこうと思います。
源流泊の幕営地を見つける方法
源流泊では、まず幕営地を見つけるのが重要です。
厳しい自然環境下で活動をする山釣り師にとって身体的&精神的に満たされる拠点を設けることで、効果的な休息とメリハリのあるアクションを実施することが可能となります。
ポイントを以下にまとめました。
・平らで乾燥している場所を選ぶ
・水源の近くを避ける
・風を避ける場所を選ぶ
・周囲の障害物に注意
・山小屋を活用する
ここでは、どのように良い幕営地を見つけるか、簡単に説明しますね。
平らで乾燥している場所を選ぶ
まずは傾斜がない平らな箇所であることが大切です。
平らでないことで体に加わる圧力が不均等になり、局所的な痛みや痺れが発生することでパフォーマンスの大幅な低下に繋がります。
快適な姿勢が維持できないので浅眠や中途覚醒が発生、睡眠の質の低下を避けることができず判断ミスを起こす確率が高まるということです。
ギア類の自立も期待できず、安定した作業が困難。
紛失のリスクも高まります。
地面の状態としては乾燥している場所を選ぶようにしましょう。
湿っていると、増水時に影響を受けた結果だという可能性を否定することができず、水害発生リスクが除外されません。
安定していないため足を取られ転倒転落リスク、体の熱を奪いやすいため低体温症リスクが高まります。
低体温症は震えや疲労感は避けられず、混乱状態に陥ると深刻です。
沢沿いは体温を奪いやすいため幕営地とする場合は対策が必要です。
選択肢がなく湿った地面で寝る場合は、必ず防水&防寒機能を有したマットやシートを使用して、低体温症を回避する行動が求められます。
詳細レビューはこちらになります。
水源の近くを避ける
本筋や小さな沢筋から調理と飲水用の水を確保する方は多いですが、水源周辺は増水時の水害リスクを考慮する必要があります。
周囲に影響を及ぼすほどの増水が生じやすいのかどうかは、渓相を見て判断することが可能です。
流木や倒木を始め土砂の堆積が多くないかどうかを客観視した上、沢沿いの岩に苔が生えているかどうかも確認が必要。
特に苔は、比較的水流が安定していることを示唆します。
増水リスクの正確な評価にはその他因子の考慮も必要であり、断定する習慣は無くしましょう。
沢沿いから離れた箇所が必ずしもあるとは限られないため、近くに幕営地を設けるしかない場合はエスケープルートの考慮が必要です。
写真の場合は、斜面沿いに駆け上がることが可能な動線を確保することで、行動不能へ陥るリスクを軽減しています。
事前準備が結果を左右する点を忘れないでください。
風を避ける場所を選ぶ
強風が直撃することで、ギア類の飛散や幕営地の崩壊は珍しいことではありません。
自然の要塞である大岩や安定した木々の間に幕営地を設置することで、未然に防止することが可能。
山岳渓流では、時間帯により風向きが決まっていることもあるため、対策を講じる上で知っていた方がアドバンテージが大きいです。
日中は太陽が山や渓を温めるため、空気の温度差が生じます。
昼間は上昇気流が発生し、風が谷から山へと吹くことが多いです。
逆に、夜間は冷却効果により下降気流が発生し、風が山から谷へと吹くことになります。
地形、気圧、天気、季節といった影響もあります。
ベースとなる「日照と気温」による風向き変化だけは覚えておくことが重要。
夜間焚火をする上でも「暖」を取るという意味では、焚火を上流側とし幕営地を下流側とすれば、上流側からの焚火の熱が下流側に伝わりやすくなるということです。
風の程度によっては、火の粉や煙を被るリスクが高くなるため、氷点下や体温低下が著しくない場合は必ずしも決まった配置を徹底する必要はありません。
周囲の障害物に注意
行動中に倒木や落石を察知することで、未然に防ぐという結果に満足することもあります。
しかし、幕営地で就寝している場合は対処することができずに、そのまま行動不能へ陥るリスクがある点を忘れてはいけません。
斜面沿いからの落石が無造作に散乱している状況ではないか、木々に安定感がなく容易に倒木する状態ではないか確認することが必要です。
遡行時に触った際に崩れやすい岩は、不安定な岩や斜面からの土砂の流入を危惧するポイント。
枯れ木や枝は強風により幕営地への落下の可能性が除外できません。
街中のキャンプ場ですら、倒木被害があります。
「いわんや源流をや」です。
山小屋を活用する
山釣り師は、人が周り立ち入らない区域をフィールドをする場合が多いため失念されがちですが、何でも利用することがリスクマネジメント上重要です。
杣人が立ち入っていた山では、避難小屋として用いられていた建物が残存していることもあり、幕営地活用する候補として覚えておきましょう。
登山道を用いる場合は、山小屋が運営されている点を忘れてはいけません。
登山客メインや釣り人メインなど地域によって異なるため、事前にリサーチしておくことが大切です。
小屋泊と運営幕営地のどちらを選択しても、難易度が大幅に下がるので初心者には特にオススメできます。
焚火ができないなどの制約もあるので、一長一短。
幕営地を見つけるための準備
源流泊の幕営地を見つけるためには、いくつかの準備が必要となります。
事前に入念な準備をしておくことで柔軟な計画変更が可能となり、とっさの事態に動揺し深刻な状況に陥るリスクを軽減できます。
ポイントを以下にまとめました。
・環境を事前に調べる
・必要な道具を揃える
・予備の計画を立てる
これから説明する準備を整えて、スムーズに幕営地を見つけましょう。
環境を事前に調べる
web検索でも有名場所に関しては掲載している釣り人達が多いため、容易に幕営地の状況を把握し軽いフットワークで「お気軽源流泊」といったコースも可能です。
経験上、一番オススメできるのは現地での情報収集と文献を活用することとなります。
山岳渓流がある奥まった地域には集落や村があることが多く、住民たちしか知り得ない「生データ」に満ち溢れています。
実際の渓相や留意点を始め、幕営地に適した箇所の情報を得ることが可能です。
博物館や資料館では得られる物が多いのが事実。
地元周辺や源流泊候補の都道府県内にある図書館で、古い地形図や人が入ったことがある場所なのか調べることもオススメです。
かつて沢と沢を繋ぐ山道が存在していたり、仕事用の杣道や森林鉄道の配置からアプローチ方法を増やすことが可能となります。
例を挙げると「村誌」、web上には掲載されていません。
大抵は持ち出し禁止書籍のため現地へ赴く必要がありますが、得られるものが絶大です。
必要な道具を揃える
オートキャンプが特徴である街中での「野外的活動」では彩を醸し出すギアが重宝されますが、必ずしも無くては困難な事態に陥ってしまうということはありません。
しかし、山岳渓流をフィールドとして活動するにはバックパックの中身のみで対応する制約となっているため、中途半端な準備はリスクマネジメント上問題です。
特に長野県では解禁時期も2月~9月と広範囲に及ぶため、源流泊スタイルと山岳渓流の特徴に応じてギアをカスタマイズしていく必要があります。
入退渓や遡行時に選択するアプローチ方法によっても異なり、全ての源流泊でオールラウンダーとなり得る道具が決まっているわけではありません。
詳細な条件を設定し、私がベースウェイトとしたバックパックの中身を記載した記事があります。
初心者の方は、参考までに用途別に道具が必要なことを考えながら、合わせて読んでみて下さい。
今後必要な道具については、詳細記事を作成予定です。
予備の計画を立てる
幕営地の状況が常にライブカメラで把握可能であるオートキャンプでは、懸念する必要はありません。
山岳渓流において「現在の状況」は実際に目視で確認するしか方法がないため、計画を立ててたどり着いても幕営地として利用できない程崩壊していることがあります。
最初から別候補を探し出さなくてはいけないとなると、時間や体力的な問題が生じビバーク対応を余儀なくされます。
準備段階で複数幕営地ポイントをピックアップしておき、実際の遡行中でも候補地になりえる箇所がないか頭の片隅に置いておくことが大切です。
幕営地候補のみならず、アプローチ方法や山行計画自体も複数用意しておくことが重要となります。
極限の身体状態に陥ると、海馬からの記憶の取り出しや処理に深刻な悪影響を与えることになり、以前に学んだ経験や情報を思い出し行動することが困難になるのが現実です。
「その場でなんとかなるでしょ!」は甘い考えで行動不能要因というしかありません。
幕営地を見つける際の注意点
源流泊での幕営地選びで注意するポイントを説明してきました。
トレッキングを楽しむ方は、登山道以外に立ち入ることを禁止されている区域があることをご存知だと思います。
大自然に身を投じる山釣り師でも、「人間社会」で生きているので法律が適応されることをしっかり覚えておきましょう。
最後に疎かになりがちな点に触れていきます。
法律や規則によって禁止されている区域
長野県を例に挙げると「中部山岳国立公園」といった国立公園や国定公園といった区域が存在しています。
実際に多くのエリアで幕営が規制されており、指定された区域でのみ設営許可されている場合がある点が重要です。
自然公園法や森林法により、特別保護地域や自然環境保護が求められる区域でも、幕営が禁止されています。
地方自治体の条例や山岳信仰を始め文化的配慮が求められる場合があるため、幕営を考えている場所がこれらの規制に該当するかどうかは、事前に関係機関や管理団体に確認するのが最も確実です。
最新情報を得るために、自治体のwebサイトを確認するようにしましょう。
まとめ
今回は、源流泊での幕営地の見つけ方を説明していきました。
ここでおさらいです。
・源流泊の幕営地を見つける方法
・幕営地を見つけるための準備
・幕営地を見つける際の注意点
3つのポイントを押さえ順序だてて取り組んでいくことが重要です。
自分で考え、行動を起こしていかなければ習慣にならないため再現性がなくなってしまいます。
日帰り釣行では決して経験できない夢のような世界へ入っていくのが「源流泊」という手段です。
幕営地を設置するのは基本的な土台であるため、疎かにすると「死」へ繋がります。
源流泊での幕営地の見つけ方をしっかり学びましょう。
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