こんにちは、モモです。
今回は、安全に釣りをするために必要なことについて解説していこうと思います。
「一人で山に入っていくのは怖い……。」
「どんなことに気をつければいいか分からない……。」
「対策の考え方が分からない……。」
と悩まれている初心者の方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
山岳渓流が多い長野県で、年間最大100回以上の釣行をしている筆者が本音で解説!
結論から言うと…
・S(ソフトウェア、規則やルール)
・H(ハードウェア、装備や用具)
・E(エンバイロンメント、天候や季節)
・L(ライブウェア、本人の体調や心理的傾向)
・L(ライブウェア、他者の体調や心理的傾向)
以上の5点になります。
このポイントを理解しておけば、最低限のリスクマネジメントが可能になります。
さっそく詳しくお話していこうと思います。
SHELL分析について
SHELL分析とは、事故の発生には5つの要因があるという考え方のもとに存在する原因分析の1つとなっています。
それぞれの頭文字をとりSHELL(シェル)モデルと略され、実際の医療安全の場では、よく用いられている手法です。
他の手法と比較して簡便で覚えやすい上に、頭の中ですぐに実施できるため、渓流釣り初心者のリスクマネジメントにピッタリだと思われます。
・S(ソフトウェア、規則やルール)
・H(ハードウェア、装備や用具)
・E(エンバイロンメント、天候や季節)
・L(ライブウェア、本人の体調や心理的傾向)
・L(ライブウェア、他者の体調や心理的傾向)
まずは、S(ソフトウェア)です。
S(ソフトウェア、規則やルール)
Sはソフトウェア、規則やルールのことを指しています。
入山禁止区域や漁協組合による禁漁区に指定されている区域がこれにあたります。
漁協による漁業権が発生している河川において釣りをする場合には、権利を侵害している立場である釣人は遊漁券を購入する必要があります。
購入せずに釣りをすることは犯罪行為であり、処罰される対象となることを理解しましょう。
また、同じ渓をフィールドにする者として沢登を楽しむ「沢屋」という集団がいます。
根本的に釣り人との考え方が異なる上に、たびたびトラブルが発生しているので規則やルールを理解することが重要です。
人によっては、「車に戻った後に、冷えたジュースを美味しく飲むために行動中は水分補給を控える」といった方もいると思います。
これも、一種の規則やルールと言えます。
この場合は脱水症状が誘発される可能性が高まり、危険な状態です。
自分の遊ぼうとしているフィールドに、どんな慣習や規則があるかをしっかり調べておきましょう。
H(ハードウェア、装備や用具)
Hはハードウェア、装備や用具のことを指しています。
渓流釣りや山登りに適した装備は、事故やトラブル発生を回避する上で最も重要な要素です。
また、闇雲に道具をザックへ入れておけばいいというわけではありません。
その道具が一体何のために存在しているのか、どんな用途があるのかを理解して、適切な使用ができるように日々確認しておくことが必要です。
耐用年数が大幅に経過したロープやスリングを始め、撥水機能が低下しているレインウェアなどがこれにあたります。
経年劣化した道具はトラブルに最も近いということを理解しましょう。
最近は、ヘルメットを毛嫌いする方が多いのが気になるところです。
私個人も後方へ回転する際に頭を強く打ち付けましたが、ヘルメットのおかげで怪我無く済みました。
こぶし大の落石が同行者の頭に直撃したこともありますが、その方もヘルメットを着用していたおかげで事なきを得ました。
脳挫傷や硬膜下血腫になれば、死のリスクが高まるので、道具の見直しは日々怠らない様にしましょう。
E(エンバイロンメント、天候や季節)
Eはエンバイロンメント、天候や季節を始め、渓の様子(増水・高低差など)のことを指します。
これらの外的環境によるリスクは、ある程度の回避が可能です。
山の環境そのものを個人の力で変更することは不可能ですが、その時々の環境に応じた行動をとることでリスクを軽減することができます。
入渓地点で増水が酷ければ、進んだ先で退渓できなくなる場合もあります。
その場合は、渓を変えるor釣りをしないという選択ができます。
一見当たり前のように思えるアセスメントですが、単純でも見積もりを甘くしアセスメントを怠った結果、遭難や行動不能に陥るケースもあります。
退渓時間を見誤った結果、下山が夜になりビバークする羽目になったという方もいます。
渓の環境を自分の都合のよいように捉えずに、客観的に評価できるように練習を積み重ねることがリスク回避の上では重要です。
L(ライブウェア、本人の体調や心理的傾向)
Lはライブウェア、本人の体調や心理的傾向を指しています。
体調不良や寝不足、病気や疲労困憊な状態は事故発生の大きな要因になります。
私自身、足をすべらせて渓へ後ろから落ちたことがあります。
その日は、一睡もせずに深夜に車を走らせ、ハードな遡行をしており、寝不足と疲労が蓄積していました。
それより後ろは滝となっており、落ちていれば命はなかったでしょう。
また、本人の性格や考え方(楽観主義、悲観主義)といった心理的傾向も、リスクを増大させる要因となります。
SHELL分析の他の要因でリスク有と判断できても、「なんとかなるだろう。」と物事をなんでもうまくいくと考えていると、避けられる事故も甘んじて受け入れることになります。
自分の考え方を客観視しにくい場合は、同行者と比較したり話し合いをすると見えることがあるので、単独釣行が多い人ほど、自分自身を正確に捉えられるようにしておきましょう。
L(ライブウェア、他者の体調や心理的傾向)
もう一つのLもライブウェア、他者の体調や心理的傾向を指しています。
同行する他者のスキルや体調は、本人同様大きなリスクとなります。
前述した疲労困憊や寝不足といった要因で、行動不能に陥るリスクも勿論あります。
が、この場合他者との人間関係がリスクを増大させる可能性があると知っておいてください。
自分とは根本的に考え方が異なり、意見が合わなかったり気が合わない同行者相手だと、普段できるはずの冷静な判断ができなくなる可能性があります。
また、普段から相手に遠慮する性格であったり、過度に同調する同行者の場合でも、共にリスクの高い方向へ向かってしまいます。
単独行動がメインの方は軽く聞き流す程度でいいですが、同行者との行動が多い方はリスク要因としてしっかりと理解することが重要です。
まとめ
今回は、安全に釣りをするために必要なことについて解説していきました。
ここでおさらいです。
・S(ソフトウェア、規則やルール)
・H(ハードウェア、装備や用具)
・E(エンバイロンメント、天候や季節)
・L(ライブウェア、本人の体調や心理的傾向)
・L(ライブウェア、他者の体調や心理的傾向)
重大な事故の発生要因には、5つの要素があります。
初心者ほど、慣れないフィールドのため安全管理が疎かになりがちです。
SHELL分析を、頭の中で実施できるようにして、普段からどんなリスク要因があるかアセスメントできるようにしてくださいね。
コメント